地域団体ストーリー

昔あそび+

昔あそび+

こま・けん玉で繋ぐ「共有」の輪

こま・けん玉で繋ぐ「共有」の輪

こまやけん玉などの昔遊びを年齢関係なく楽しめる場所「昔あそび+」。この場所が、月に一度、宮城県仙台市泉区の「まちスポ仙台」内に出現します。この場所を作っている「こま侍」さんに、昔遊びの魅力や、なぜ昔遊びができる場所を作ったのかを語っていただきました。

インタビュアー:櫻田凌那(Pocci!学生チーム)

昔遊びを通じたコミュニケーションの場

―― 昔あそび+では、どのような取り組みをされていますか?
月に一回約二時間こまやけん玉の練習会を行っていて、毎回20人前後が参加しています。主な活動場所は、まちスポ仙台ですが、水の森公園や七北田公園でも活動しています。その他、イベントのご依頼があった場合に出向いて、こまやけん玉の実演や体験会をさせていただいたり、「けん玉ワールドカップ」の宮城県会場など、こまやけん玉の大会運営にも協力しています。

―― 昔あそび+を始めたきっかけは何ですか?
こまやけん玉を好きな者同士が集まり、コミュニケーションが取れる場所を作りたいと思ったのがきっかけで、2017年に作りました。

―― 子どもたちが昔あそび+に入るきっかけは何ですか?
私は、こま遊びの普及で児童館を回っているのですが、そこでこま遊び体験をした時に、「もっと遊びたい」「もっとこま回しが上手くなりたい」と言う子どもたちに「昔あそび+っていうこま遊びができる場所があるんだけど来てみる?」と誘ってみると来てくれる子が多いです。あとは、昔あそび+のInstagramやFacebookで「参加してみたいです」とメッセージをいただいたり、イベントで出会った時に参加してみたいと声をかけていただいたりします。

昔遊びには魅力がいっぱい

―― そもそも、こまとけん玉はどうやって遊ぶんですか?
こま遊びでは、こま本体と、こまを回すための紐を使います。まずはじめに、こまの頭の部分にある棒に紐の輪っかを引っ掛けて、こまのおしりの棒に紐を3回力強く巻き付けて、4回目からは緩く巻いていきます。投げる時は、手を棒のようにまっすぐにして、その状態のまま腕を振って腕を前に出した瞬間にこまを放すと回せます。上手くなると、「紐かけ手のせ」という、回っているこまを空中に飛ばし、落下してくるこまを手のひらの上に着地させるかっこいい技もできるようになります。けん玉遊びでは、玉を、大皿、中皿、小皿、けん、といった部分に乗せて落とさないように遊びます。けん玉も、上手くなると色々な技にチャレンジできますよ。

―― 昔あそび+に参加している子どもたちを見ていても、見たことがない技や難しそうな技を成功させていてすごいですね!
私がすごい技や子どもたちが見たことがない技をやると、はじめは「こまなんてやりません」って態度の子でも、「そんなのもできるの?」とか「こんなにかっこいいんだ」ってすごく興味を持ってくれるんです。こまやけん玉のかっこいい部分も広めていきながら、楽しめる方々を増やしていきたいなと思います。

―― 技ができるようになるまでどのくらいかかるんですか?
練習量やその人の感覚とか色々あるんですが、「出来るようになりたい」というやる気だったり、「こうなりたい」っていう気持ちが強いと上手くなるまでの距離が縮まりますね。気持ちが無かったり、やらされている状態ではなかなか上達しないです。熱中する子だと、一週間位で難しい技ができるようになりますよ。

こま侍誕生秘話!?

―― こま侍さんはいつ昔遊びに出会ったんですか?
専門学校に通っていた頃、こまを回せないと単位をもらえないっていう授業があったんですよ。実はその時、私はこまを回せなかったので追試組になってしまって。それがすごい悔しくて、そこから毎日こまをやりだして、色々調べていったところ、すごい技や楽しみ方があるっていうのを知って、どんどんはまっていきました。

―― こま侍としてはいつから活動されているんですか?
こまで遊び始めてから6年後位に、児童館を回るようになりました。こまは昔からある立派な遊びで、みんな知っているんだけど、今は公園とかでやっている子がいないので、こまの楽しさを伝えるためにも普及が必要かなと思ったのがきっかけでした。

昔遊びが生み出すエネルギー

―― こま侍さんにとって、昔遊びの魅力ってなんですか?
昔遊びの魅力というのは、やったことがない人がすぐには出来ないのが魅力なんです。頑張って練習するし、自分との戦いだったりするんですよ。そうやってだんだんと積み上げて出来るようになるって、今の遊びや生活の中では少なくなっている部分だし、社会に出た時にすごく必要な力だと思っているので、昔遊びはそういった力を育てるのにはすごくいいなと思っています。

―― こま侍さんの原動力はなんですか?
やっぱり、何かを出来るようになった時の喜びってものすごいんです。例えば、こまを回せた瞬間、けん玉の玉を皿に乗せられた瞬間の子どもたちの顔、動きだったりってものすごいエネルギーを持っているんですよ。それをたくさん見られたり、近くで感じられるのは何にも代えがたい感覚で、原動力ですかね。それがあるから私もずっと続けられています。出来ないなかでも頑張り続ける姿も訴えかけられるものがすごくありますね。

―― こま侍さんが昔あそび+で活動していてよかったと思った瞬間、エピソードはありますか?
オープンに活動しているので、練習会の様子を見て、色々な人が混ざってきてくれるのがすごく嬉しいですね。全国的にもこういった活動をしている人々って多くないんです。その中で、こうやってみんなでわあわあ言いながら楽しかったり、喧嘩したり、泣いたりしながら昔遊びを共有しているっていうことが最高ですね。どんな感情でもいいので、共有できる人たちがいるっていうのが多分すごく大事なんだなって思っているので、「共有」を昔あそび+ではすごく大事にしています。

自分を表現できる場所

―― 昔あそび+の活動を通じて、子どもたちや親御さんからはどういった声が聞こえてきますか?
子どもたちにとっては、自分を表現できる場になっています。安心して自分を思いっきり表現できるということは居場所があることでもあるので、子どもたちがのびのびしているのを、言葉ではなく動きで感じることがたくさんありますね。親御さん達は、子どもたちの元気な様子や感情の変化を見ることが、これから生きていく糧とかそういうものになっていくんじゃないかなと思っています。

―― 親御さんも温かく見守っていて、いい雰囲気ですね!
親御さん達もけん玉をやりますよ。「親御さんたちも楽しめる何かを見つけてみませんか?」みたいなスタンスでやっていて、この環境をみんなで作っているみたいなのを目指しています。子どもたちだけではなく、ご年配になってもこまやけん玉を練習して遊びたいっていう方にも入っていただいているので年齢は関係ないです。世代間の交流の場になっていけるといいかなと思っています。

―― 昔あそび+を応援してくれる方や、これからこまやけん玉で遊んでみたいっていう子どもたちにメッセージをお願いします!
こまとかけん玉だけでなくていいので、子どもの「やってみたい、こうなりたい」っていう気持ちとそのタイミングをすごく大事にしてほしいと思っています。昔あそび+では、こまやけん玉を上手にできるようになるのが目的ではなくて、「仲良くなって一緒にやりましょ」っていうスタンスなので、こまやけん玉をやってみたい子はもちろん、そうじゃない子でも是非、昔あそび+で一緒に遊びましょう。

Pocci!学生チームの「昔あそび+体験記」を読む

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仙台でこま・けん玉の普及活動をしています。イベント出演や月一回の練習会などを行い、こま・けん玉を楽しんでいます。みんなとこま・けん玉をわちゃわちゃと楽しみたい、そしてこまやけん玉を、身近な遊びにしたいと思っています。

仙台でこま・けん玉の普及活動をしています。イベント出演や月一回の練習会などを行い、こま・けん玉を楽しんでいます。みんなとこま・けん玉をわちゃわちゃと楽しみたい、そしてこまやけん玉を、身近な遊びにしたいと思っています。

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