地域団体ストーリー

利府太鼓

利府太鼓

利府から和太鼓文化を響かせる

利府から和太鼓文化を響かせる

鉢を振り下ろす凛々しい姿、体中に響く音。和太鼓の演奏には私たちを惹きつける魅力があります。宮城県利府町を拠点に活動する会「利府太鼓」は、各地で和太鼓の演奏を広めて33年!音や響きを超えた、和太鼓の醍醐味とは……?子どもから大人まで幅広い年代の和太鼓奏者を育て上げてきた、会の代表・高橋久代さんにお話を伺いました。

インタビュアー:櫻田凌那(東北学院大学3年生)

利府から各地へ 33年のあゆみ

——「利府太鼓」の皆さんは、地域のお祭りやイベントなど、さまざまな場所で演奏されていますね。
お陰様でいろいろな場所で演奏する機会をいただき、幅広い年代の方に楽しんでいただいています。

—— 会ができてどのくらいになるのでしょう?
平成2年に「利府太鼓愛好会」という名で結成されました。結成から10年の節目に名前を改め、現在の「利府太鼓」になり、2023年で33年になります。利府太鼓の名には、利府町に新しい文化をという強い想いが込められています。

—— 高橋さんは、いつから和太鼓を始められたんですか?
私は38歳からです。利府町で行われている「青山祭り」のお囃子太鼓に参加して和太鼓を叩いたのがきっかけです。楽しかったので続けたいなと思っていたのですが、お祭りの時期が過ぎたら役目が終わってしまって。残念に思っていたところ、お祭りの役員の方が「利府太鼓っていう会があるよ」と教えてくださったんです。

—— 大人になってから始められたんですね!
現在の利府太鼓にも大人のメンバーがたくさんいますよ。今は子どもを含め、総勢8人で活動しています(2023年11月現在)。

体に響く 和太鼓の音

—— 和太鼓の音って、体に響いてきますよね。皆さん全身を使って演奏されている姿もかっこいいです。
そう、本当に全身を使っています。和太鼓の音って、心臓の鼓動みたいでしょう?手首のスナップで音と響きを変えるのですが、不思議なもので、嬉しい時、悲しい時、怒っている時、その時々の心境によって音や響きが変わるんですよ。

—— 奥が深いですね。演奏する時、どんなことに気をつけているのですか?
音が走らないこと、滑らないこと、そして、「間」を大事にすること。間を取らないことから間抜けという言葉が生まれたといわれています。それくらい、音が無いところも大切です。

—— 間も演奏の一部なんですね。

「太鼓は、見るもんやろ」

利府太鼓では、平成8年から和太鼓の第一人者の時勝矢一路(じしょうやいちろ)先生を迎えて指導していただいてきました。先程、櫻田さんが全身を使って演奏すると言ってくれましたが、時勝矢先生はこう仰ったんです。「太鼓は、見るもんやろ」と。「和太鼓を聴く」ってあまり言わないでしょう?

—— 確かにそうですね。見るという表現、しっくりきます。
「打たない時は絶対動くな、石になれ。」と仰ったことも印象に残っています。「ステージで演奏している時、ステージの上からはらはらと何かが落ちて来たら、お客さんはそっちに気が取られてしまうやろう?」って。無駄な動きをしないことが大切だということです。

—— コンクールや大会にも多数出場されていますが、立ち居振る舞いも評価されるのですか?
そうですね。所作、構え、衣装の着方まであらゆる点で基準を満たさなければなりません。道場に出入りする時は一礼する。衣装の袴はきちんと着る。演奏中は激しく動くので、しっかり着ないと着崩れて見苦しい状態になってしまうんです。そういう礼儀を、基本に沿って指導していくことに努めました。

—— 僕は剣道を8年間やってきて、礼儀は厳しく仕込まれました。面をつける前に手拭いを頭に巻くんですが、それを師匠の前で脱いで投げた子がいて、すごく叱られていました。
うちでも、鉢を投げたら厳しく叱ります。それと一緒ですね。家庭でも同じ。ありがとう、ごめんなさい、こんにちは、ご飯を食べる時はいただきますと言いなさいって。基本の礼儀作法ですよね。

かけがえのない存在

—— 高橋さんから見て、利府太鼓のメンバーはどんな方々ですか?
それぞれがかけがえのない存在です。過去には30名以上のメンバーがいたこともあり、当時は子どものメンバーも多かったので、自分の子どもに「お母さんは僕より利府太鼓の子達の方が大事なんだ!!」って泣かれたこともありました(笑)。もちろん、我が子が一番ですが、利府太鼓の子達に対しても我が子のようにいろんな心配をしました。

—— 家族のような存在でしょうか?
それを目指したいですね。「何でも話し合えるチームは長続きする」。全国各地で教えていらっしゃる先生方は皆そのように仰っているので、メンバー間で心を開いて、何でも話せるようになりたいです。

—— 演奏する上で、コミュニケーションを取ることは大切なんですね。
はい、とても大切だと思います。

太鼓を打てる、以上の醍醐味

—— 高橋さんのお話を伺って、和太鼓への興味が深まりました。改めて、利府太鼓には未経験の方でも入会できますか? 
もちろんです。全くやったことがなくても臆さないで来てほしいです。私も、初めて利府太鼓の練習を見学に行った時は「え!私こんなところに入っていいの?」と思いました。でも、段階を踏んで練習していけば必ず上手くなります!

—— 和太鼓をやってみたいお子さんや、お子さんにやらせてみたいという親御さんもいらっしゃるかと思います。
是非、お子さんにも体験してほしいです。和太鼓を打つ時、体の重心を太鼓の中心に置き、足を開いて立ちます。体幹ができていないとできない構えです。実は、最近の子どもたちは体幹が弱いからぐらぐらしてしまう。だから、体幹から鍛えていきます。
また、和太鼓を演奏する上での礼儀作法も教えています。例えば、頭に鉢巻きを結んだり、靴紐を結んだりといった、大人からすれば当たり前のことも、最近の子どもたちは意外と経験がなかったりします。
和太鼓を演奏するということは、単に太鼓を打てるようになる以上に、体作りや礼儀作法の面からも良いことがたくさんあるんですよ。

—— 良いことづくめですね。これからの利府太鼓をどのようにしていきたいですか?
私の手を借りなくても、メンバーが自立していけるようになってほしいです。心構えだけではなく、実務的なことができる人手もほしいのが実情です。例えば、太鼓を運搬するためのトラックを運転したり、ホームページで活動情報を発信したりできる方です。
また、パフォーマンスの見せ方も考えたいですね。現在は7人という少ない人数で活動していますが、今後、人数が増えた時にも臨機応変に対応できるようにしていきたいと考えています。
利府太鼓のメンバーのなかには、利府太鼓で和太鼓をはじめたことをきっかけに、色々なご縁がつながってプロになった子もいます。運命というか、なるべくしてそうなったのだろうなと思いますが、そういう子のように、将来は和太鼓のプロとして食べていけるようになる子どもたちが増える未来も夢見ています。

—— 巣立った方がご活躍されている姿は、今のメンバーの方々にとっても励みになりますね。
はい、私も嬉しく思っています。これからも基本を大切に、本物の音を目指し、感動を届けられるように頑張っていきます。

—— 僕も一度、和太鼓を体験してみたいです!太鼓を叩くところを想像するとワクワクします。
おっと、いきなりは叩きませんよ。まずは「打ち合わせ」という、腕をまっすぐ振り上げる動作から。

—— ……こんな感じですか?
肘が曲がっています。鉢の先まで自分の手だと思ってまっすぐに!

—— 道のりは険しそうだ……(笑)。
大丈夫、少しずつ楽しくやってみましょう!

大学生・櫻田凌那の「利府太鼓体験記」を読む

利府太鼓

平成2年ともすれば周囲のざわめきにかき消されそうな程の小さな音、それが利府太鼓の誕生を告げる鼓動でした。平成8年から和太鼓の第一人者、時勝矢一路氏の指導を受けるようになり、その上達ぶりは周囲もおどろくほどでした。これからも、私たちは常に本物を追い求め新しい形を取入れながらも、利府太鼓のカラーを失うことなく、和太鼓という最も簡単に音の出る楽器でありながら最も難しい楽器に、挑戦し取組んでまいります。

体験入団のお問い合わせ先:rifudaiko@yahoo.co.jp

平成2年ともすれば周囲のざわめきにかき消されそうな程の小さな音、それが利府太鼓の誕生を告げる鼓動でした。平成8年から和太鼓の第一人者、時勝矢一路氏の指導を受けるようになり、その上達ぶりは周囲もおどろくほどでした。これからも、私たちは常に本物を追い求め新しい形を取入れながらも、利府太鼓のカラーを失うことなく、和太鼓という最も簡単に音の出る楽器でありながら最も難しい楽器に、挑戦し取組んでまいります。

体験入団のお問い合わせ先:rifudaiko@yahoo.co.jp

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